今回の問題は偏差値60以上の方に推奨します。
今日のPOINT!
1.平面は何で定まるのか
2. 外積を使え!
3.裏技を記述式で使うテクニック
問題

解答
$ \vec{n}=\left( \begin{array}{cc} -6\\ 5\\ 1\\ \end{array} \right) $とすると
$ \vec{\vphantom{AB}n}\cdot\overrightarrow{\mathrm{AB}}=0$、$ \vec{\vphantom{AC}n}\cdot\overrightarrow{\mathrm{AC}}=0$ で$ \vec{n}$は平面αの法線ベクトルである。
また平面αは点Aを通るから、求める平面の方程式は
$-6(x-3)+5(y-2)+1(z-1)=0$
すなわち
$6x-5y-z=7$
解説
今日は高いレベルの大学を目指している人、限定です!
平面の方程式の知識はある程度以上の大学でないと必要ありません。
外積なんてもってのほかです。
それでは偏差値60以上の人だけが残ったようなので解説を始めていきます(笑)
解答を見て「えっ?」となった人は多いのではないでしょうか。
今回のような問題を見て、高校生が思いつくのは
「未知数を3つ設定した平面の方程式に3点を代入、からの連立方程式」や
「平面上の二つのベクトルから法線ベクトルを求めて平面の方程式の係数を決定」とかでしょうか。
いずれも連立方程式を解かなければいけないため制限時間5分ではなかなか厳しいでしょう。
そこで薦めるのが「外積から法線ベクトルを求めて平面の方程式の係数決定」です。
外積って知ってますか?一様、青チャの一角にも載っていますが大学の範囲です。
しかし身構えないで下さい!今回、レクチャーしたいのは演算としての外積でとっても簡単です。
高校生のみなさんは決して外積を深掘りする必要はありません。そんな時間があれば他の勉強をしましょう。
外積
外積は二つのベクトルに垂直なベクトルを求める演算です。
その演算方法はとっても簡単で以下のように行います。

注意する点は2つ。演算記号が×であり、・ではない(・は内積を表す)ということ。もう1つは外積では交換法則が成り立たないということです。つまり順序が異なれば結果も異なります。
今回の問題であれば$\overrightarrow{\mathrm{AB}}=(-1,-1,-1)$、$\overrightarrow{\mathrm{AC}}=(-3,-4,2)$であるから
平面αに垂直なベクトル$\vec{n}$は
$\vec{n}=\overrightarrow{\mathrm{AB}}×\overrightarrow{\mathrm{AC}}=\left( \begin{array}{cc} -1\\ -1\\ -1\\ \end{array} \right)×\left( \begin{array}{cc} -3\\ -4\\ 2\\ \end{array} \right)=\left( \begin{array}{cc} -2-4\\ 3+2\\ 4-3\\ \end{array} \right)=\left( \begin{array}{cc} -6\\ 5\\ 1\\ \end{array} \right)$
これで平面αの法線ベクトルが求まり、平面αが通る点も分かっているので平面の方程式が求まりますね。一応、丁寧に説明します。
平面α上の任意の点を$\mathrm{P}(x,y,z)$とすると
$ \vec{\vphantom{AP}n}\cdot\overrightarrow{\mathrm{AP}}=0$ が常に成り立つので
$-6(x-3)+5(y-2)+1(z-1)=0$ となります。
平面は1つの法線ベクトルとその平面上の1点で定まる。
以上が外積を使った求め方です。簡単で早いですよね。
しかし、大学の範囲で記述式には使えないじゃないかと怒り狂いそうな人もいますよね。
心配しなくて大丈夫です。ちゃんと記述式でも使えるテクニックを伝授します。
裏技を記述式で使うテクニック
裏技を記述式で使うテクニックそれは、「偶然を装う」ことです。
今回の問題で言えば外積の計算は計算用紙にとどめておいて解答用紙には全く書きません。
外積を使って求めた結果だけを書きます。この時にコツがあって、
「こんなベクトルで試してみたらたまたま$ \vec{\vphantom{AB}n}\cdot\overrightarrow{\mathrm{AB}}=0$、$ \vec{\vphantom{AC}n}\cdot\overrightarrow{\mathrm{AC}}=0$になりました。ということはこのベクトルは平面αの法線ベクトルですよね。」という風に「いろいろ試していたら偶然、法線ベクトルがみつかった」という記述をします。
もちろん、偶然見つけるのはほとんど不可能ですがあり得なくはないですよね。
つまり、これで許される訳です。
え?そんなのずるいって?
いやいや、よく考えて見て下さいよ、あなたもすでにこの方法を使っていますよ。
漸化式のところで使う特性方程式。あれも全く一緒です。
「いろいろ試してみたら偶然、特殊解が見つかりました」っていう記述ですよね。
「偶然を装う」、理解できましたか?理解出来れば数学のまた新しい奥深さが見えてくると思います。このテクニックは他の裏技(大学範囲を使った解き方など)を使う時にも役立ったり、原理を隠して記述したい時(整数問題などでこういう時がある)に使えたり、意外と汎用性があるので是非マスターして下さい。
偶然を装って、結果のみを書け!
今日はなかなか難しかったと思います、お疲れさまです。
分からないことがありましたらコメント欄で気軽に質問して下さい。
みなさんが第一志望に受かりますように!ではまた!